旅行について

旅行というと私は必ず一人旅です。

最小限の荷物をまとめて、ほとんど予定は立てず、行先きと初日の宿泊先だけ決めたら準備完了です。

 後は気の向くまま、その時々で行動が決まる。誰かと一緒だとそうはいかないから、旅の醍醐味が味わえない。

 

私は集団行動が苦手で、普段ストレスを感じてるせいもあり、解放感に浸りたいのだと思っていた。

 一人で旅をしていると沢山の出会いがある。一人だから余計に声をかけたりするのかもしれないが、一人になりたいはずなのに不思議だ。

同じように一人で旅をしている方と出会うこともある。声をかけると似た者同士の親近感が止まらない。話が弾んで少しの間同行することも珍しくない。

 

見知らぬ所で予期せぬ出会いがある。そんな旅の中でも忘れられない経験がある

ここで微かな記憶を辿りながら思い出してみたい。

 

f:id:YoshiSeikuudokunohibi:20200629091704j:plain山陰の小京都、津和野

 

社会人になって初めての夏休み、といっても9月14日からの5連休だった。

交代勤務の仕事だったし友人が少ないので、一人で知らない所へ旅をすることに決めた。

 行先を大阪からそう遠くない萩・津和野にし、夜行列車に乗りたいという理由で深夜に出発する。山陽本線で小郡(現新山口)まで行き山口線に乗り換えて津和野に向かう。

 

津和野に近づいた頃、ようやく夜が明け始めた。車窓からは真っ白で何も見えない。

どういう事なのか混乱しながらも早朝の心地よさに身を任せる。

やがて明るくなるにつれ朝もやがかかっている事に気づいた。少しずつゆっくりと景色が現れはじめ真っ青な空が見えた時 、眩しいほどの色彩に心奪われる。

 

素晴らしい歓迎を受けて津和野に到着する。山に囲まれた盆地で古い町並みが続く。

町のいたるところに堀があり無数の鯉が優雅に泳いでいた。

美しい町並みと澄み切った空気、異国の情緒すら感じる世界に魅了されていた。

 

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観光気分を満喫して昼食をとる頃には観光客が多い事に気づいた。秋分の日が重なる三連休だった 事にようやく納得したが、今夜の宿泊が未定だったので急いで観光案内所を訪ねる。これが意外な展開となる事に知る由もない私だった。

 

職員さんに宿泊希望を伝えると電話で探してくれる。案の定どこも満室で空きがない。ようやく見つかったのは民宿でした。相部屋でよければという条件です。旅慣れない私は状況も理解せず有難く予約させていただき、安堵する。

 案内された場所へ行くと小さな民宿で、今は名前も忘れて思い出せない。家族経営で優しそうなご主人が出迎えてくれた。部屋に案内されると8帖ほどの部屋で、すでに二人が先に来ていた。挨拶をかわして話を聞くと、九州から二人で来たという。年は私と同じくらいで、人当たりの良さそうな感じで安心する。主人の話では後二人来るようだ。

 

夕方には二人加わり五人が揃った。後の二人は少し年配で旅慣れた兄さん風でしたが、同じ関西だったせいもあり、すぐに打ち解けてしまう。入浴後は全員が集まり同じ食卓を囲む。別の部屋には女の子がいたようで華やいだ夕食になった。まるで大家族と食事してるような気分まで味わえた。

夕食後はお酒が加わり宴会となる。ご主人がカラオケを用意してくれ、知らぬ者同士が飲めや歌えの楽しいひと時を過ごしていた。

朝から夜までいろんな事があり、夢のような一日が終わり、相部屋である事もすっかり忘れて熟睡していました。

 

一夜明けて翌朝、山口線には蒸気機関車がまだ現役で走っています。これが観光名物であるが前日うっかり見逃してしまった。今日こそは早めに陣取って見届けたかった。

 昨日の友と別れの挨拶を交わし、民宿の主人にお礼を言い、寄せ書き帳に何か忘れたけど書き残し意気揚々と出発する。午後は萩へ向かい宿泊するので早急に予約を済ませた。

 

f:id:YoshiSeikuudokunohibi:20200710133233j:plain SLやまぐち号が来た。黒い煙、圧倒的な存在感です。蒸気機関車は熟練のメンテナンスが必要で後継者がいなくなると存続の危機に瀕する。現在も尚、運行が継続されていると知り、いつまでも大切に守って欲しいと思います。

 

SLを見届けた私は次の目的地、萩市へと旅立つ。津和野の思い出は数年後、再び訪れる事になるほどの経験でした。旅の記事は機会があればまた書いてみたい。

萩の思い出や数年後の再訪問についても

 

今回は津和野という事でまとめてみました。旅に興味のある方や昭和のレトロな旅情がお伝え出来たら幸いです。