痛みについて

叩かれたりぶつけたりすると痛いですよね。当たり前ですが、これはたいへん重要な事なんです。この痛みについての考察を書いてみたいと思います。

 

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 遺伝性の神経疾患で無痛無汗症(むつうむかんしょう)という病気があります。病名のとおり痛覚が働かないために痛さを感じず、汗をかけないために体温調節ができない先天的な病気です。

症状は骨折ややけどをしてもまったく痛みの感覚がない場合や、少しは発汗できたり、痛覚がある場合など、個人差があります。発汗や痛みを司る神経は、健康や生命を守るために大切な働きをしています
多くが生後数か月で発見され、歩くようになって行動範囲が広がると、骨折やねんざ、脱臼、やけどなど、ケガが多くなります。ケガをしても本人は痛みを感じないため、そのまま走り回って悪化するといった場合もあります。痛みや違和感を避ける自然の反応ができないため、ケガを招きやすいのです。

汗をかかないので、夏は熱中症に、冬は低体温に気をつけなければなりません。やけどや凍傷を予防し、皮膚の保湿や保護にも普通以上に注意が必要です。

 

このように痛みは生命を守る為に欠かせない感覚なのです。

さてここで考えてみたいのは、心の痛みや苦しみはどうなのかという話です。

 

様々な悩みやストレスによって心の痛みや苦しみは生まれますが、生きていく上で大切なものではないでしょうか。思いとどまる、考え直す、言葉や行動を変えるというのは痛みや苦しみが無いとやろうともしない。反省という事も無いでしょう。

新しい発見や気づきもなく、成長というものが無い人生。そんな人生が楽しいのでしょうか。苦しみがあるから喜びも大きいはずです。人が感動できるのは痛みや苦しみを知り、乗り越えた時にこそ得られるものです。

 

しかし人はそんなに強いものではありません。苦しみに押しつぶされて病んでしまう事もあります。体の痛みも限界を超えると壊れてしまうように、心も壊れてしまいます。限界を知るための経験なのですが、事故はいつどこで起きるかわかりません。

 

普段からストレスへの備えと対処法を意識しておく必要があります。一人で対処出来ない事は他人に頼る事、遠ざけたり逃げることも必要です。これは情けない事とか恥ずかしい事として親や学校、社会から洗脳されて生きてきた方には受け入れられないかもしれませんが、命を落とす危険な状態にまで自分を追い詰める事になりかねません。痛みや苦しみを受け止めて戦うのではなく、身を守るという行動は大切な事です。自分を過信しすぎると傲慢になり孤立して心を病み、自ら命を絶つという結果を招く事も考えられます。

 

心の痛みを感じない方や違う感じ方をする方、サイコパスという例外的なものをのぞいて、心の痛みは大切ですし、扱い方は慎重にしないと命に関わるという話をまとめてみました。ちゃんと向き合って上手に付き合う事ができれば、人生が豊かに楽しくなるものです。最後に協調できる力、自立して生きる力は心の痛みを乗り越えてこそ得られると信じたいです。